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Blog
2020/08/06 15:43
幼少期から釣りを覚えさせてくれた父親が居て、これまで約28年程魚と触れ合ってきた人生
って考えると2歳の時から海や川に連れてって貰ってたんだなぁと
実際竿を握ったのは3歳の頃だったらしい
まぁそんな事は置いといて・・・
魚を釣って感動した事は数えきれないくらいあって
でもその中でも最も衝撃を受け、今でも想い続けてる魚が居る
バラマンディ
この魚を初めて知ったのは17歳の時で、当時大学進学がオーストラリアと決まっていた僕はその地で釣れる魚を色々調べていた
親には申し訳無いけど大学で勉強したい事は特に無くて、ただ知らない魚が釣りたかった
当時は今ほどネットが発達してなかったから、得られる情報も薄くて
でもオーストラリアにはバラマンディと言う画面越しに見て凄く魅力的な魚が居るんだと胸が躍った
どこに居るかなんて良くわからなかったから、大学のあるバラマンディが居るであろう町を色々探した
そして18歳、辿り着いたのは「タウンズビル」と言う町だった
あの頃そこには殆ど日本人が住んでいなくて、毎日の様に人種差別を受けた
こんな町滅びてしまえば良い、そう思うぐらい大嫌いな町だった
今は随分住みやすくなってるけど
周りに信頼出来る人間は殆ど居なかったから、僕は毎日学校以外の時間は水辺に立っていたと思う
バラマンディと言う魚がどうやったら釣れるのかは僕にはわからなかった
でも僕は当時食い入るように何度も見ていたDVDがあって、それは今江克隆さんの「黒帯ザ・グレートアマゾン」だった
今では当たり前になったビッグスイッシャーでのピーコックバスフィッシング
本当に衝撃的な映像だった
バラマンディもあんな風にスイッシャーのリッピングテクニックで釣れるんじゃないのか?
非常に単純な思考で、イマカツのデビルリッパージンガと言うルアーを信じて投げた
厳密に言うとスイッシャーでは無かったけど、DVDで見た時に負けない位派手な捕食音を演出しながらバラマンディが居るらしい川でルアーを引きまくった
ナイロン16ポンド直結と言う今では絶対やらないタックルでね
そしたらその初夜、突然水面が爆発したんだ・・・
僕の初めてのオーストラリアで初めて引き当てた魚はバラマンディで、今思えば良くもあんな釣り方で食ってくれたなと思う
初めてのそいつは、ドラグをフルロックにしていたせいで一瞬で針を引き伸ばし消えてしまった
だけどあのド派手なエラ洗いは今でも忘れられないし、なんならその日はもう手足が震えて殆ど釣りにならなかった
その後から、色んな釣り方を試して沢山のバラマンディを釣った
大勢の地元民が殆ど釣れてない中で、1日53匹釣ったりそんなクレイジーな日もあった
人に話しても見てた人間以外信じて貰えなかったけどね笑
でも当時の僕は技術的にもタックル的にも足りな過ぎて、せっかく約1年程のその町での生活最後の最後に訪れた120㎝程の個体との戦いに勝てなかった
人間関係は本当にクソだったその頃には僕は殆ど鬱状態になっていたから、それ以上頑張る気力も無く一旦帰国した
その後結局大学は平和そうに思えたタスマニア州で通う事になったから、暫くバラマンディとは無縁の生活を送った
社会人になり、仕事に追われる生活になると釣りの事を考えられない時間も増えた
でもその代わり恋人が出来たり、違う人付き合いも出来てそれはそれで充実していた
24歳の頃だったか、僕は海外留学のカウンセラーの仕事をする事になった
自分も留学をしていたから、多少は経験値も活かせるんじゃないかと思って
そこで出会った人達にはすごく良くして貰ったし、お客さんに慕われるのはやりがいも覚えた
今思えば今までやってきた仕事の中で一番不向きで中途半端にしか出来ない仕事だったんけど笑
時には自分を取り繕わなきゃいけない事もあって、お客さんには夢を持って留学をして欲しいと本気で思ってたから楽しい話を沢山した
だけどやってる内にどこか違和感を覚えるようになって
あれ、お前自分の夢すら叶えられて無いのになに人に夢語ってんの?
とか思うようになって
ダメだ、僕はあいつと決着つけに行かなきゃいけないと思って、仕事を辞める事に決めたんだ
本当にあの時抱えてたお客さんと、引き継いでくれたスタッフの方々には迷惑かけたと思う
その後1年でオーストラリアで生活する費用を貯めて、いや思ったより足りなかったんだけど・・・
僕はまたタウンズビルにリベンジを果たしに行ってきたんだ
何度も失敗してきたから、僕も少しは強くなっていて
絶対獲ると決めた120㎝の壁を超える事が出来たんだ
物凄く前置きが長くなってしまった笑

この絵のバラマンディのモデルは、僕の釣った最大サイズのバラマンディでは無い
初めて出会ったメーターオーバーのバラマンディだ

この初めての魚のアウトラインに忠実に描き上げたもの
この後もっと大きいのにも出会うんだけど、初めての1匹にはやっぱり特別な思いがあって、モデルをこの子にした
これまでの釣り人生、友人にはとても恵まれていたんだけど、残念ながら何故か周りに釣りをする友達がほんとに居なくて一人で突っ走る事が殆どだった
今でこそ良くして貰える釣り友達が沢山いるけど、このオーストラリアでの数々の出会い、ここまでが僕の単独での釣り人生最後の魚達との出会いになるんだと思う
誰かに教えて貰った事も無いから、僕はやってきた年数の割に釣りが下手で偏ってるとは思うんだけど、今みたいに大体何やっても誰かの2番煎じみたいな世界をこれまで知らなくて幸せだったなぁとか思ったりする
Obey Your Instinctsってのは「本能に従え」って意味で、どれだけ何も知らなくても自分を信じてやり続けたら見える世界がある
と、僕は思う
ここまでが、僕の執念とも呼べるこの約半生が、この絵に込められた物語
バラマンディに出会う事は今では割と容易い事だ(コロナは置いといて)
東南アジアに行けば釣り堀で比較的イージーに釣れるし、野生の個体もガイドを雇えばほぼ確実だ
因みに釣り堀を否定する気は無く、めちゃくちゃ楽しいし僕もとても好きだ
だけど、釣り堀でしかバラマンディを知らないのは勿体なすぎると思う
まだまだ自分しか知らない世界は開拓の余地があると思う