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2019/02/22 15:23
二日目
目が覚めて、咳はまだ出るが熱は下がっていた。
体も軽い。
よし、これならいけそうだ!
でも外は土砂降り強風で、暫くは厳しそうだった。
ゆっくり宿でタックルの準備をし、11時過ぎ頃雨が緩くなった所でいざ出撃する。
まぁ、すぐまた降り出し釣り場に着く頃にはズブズブに濡れてたんだけど笑
ルアーも良いんだけど、僕はフカセ釣りをやってみたかったから撒き餌とオキアミ、そしてさんまを買って磯に立った。
バッカンなんて買っても持って帰る余裕も無かったから策を考える。
そういや昨日バイクで走ってる時どっかにバケツ落ちてたっけ・・・。
あやふやな記憶のままバケツ探しの旅に出たら、ほんとにあったのでそれで混ぜ混ぜした笑
ロッドは当たり前だがルアーロッドでめちゃくちゃだ。
悪天候にも関わらず、撒き餌を投入するとすぐにカラフルな熱帯魚がチラホラ見え始めた。
そして最初のヒットは謎の小さなベラ。
久々に魚に触れて、なんだかすごく嬉しかったんだ。
そしてすぐさま本土では見ないようなとても鮮やかなベラが釣れる。
もしかしたらこの辺では外道なのかもしれないけど、あまりの美しさに夢中で写真を撮る。
本当に、飾らず生きててどうしてこんなにも美しくなれるのか。
自然にはいつも驚かされてばかりだ。
気を良くしていたが、後は続かなかった。
その内餌取りにつつかれる事も無く、潮がどんどん速くなってくる。
撒き餌も殆ど尽きてきたので、サンマに変更し誘導浮き仕掛けで潮に乗せる。
出せるとこまで糸を出していくと小さなアタリが、そして上がったのは小さいがこれまた綺麗なバラハタ!
根魚はどれも大好きなのですごく嬉しい!
でもこれもすぐに当たらなくなる。
厳しい笑
そんなこんなやっていると、少し離れた所で地元のおじさんが竿を曲げながら手を振ってる。
どうやらダツがスレ掛かったようで、良かったらあげるよと!
深刻なエサ不足に陥りそうな僕は険しい磯をおじさんの元へ走り寄った!
タモを持ってなかった僕はギャフで掛けようと思ったが、準備にモタモタしてる間にダツは外れた・・・笑
おじさんと笑った笑
少し話をしてみる。
どうやらやはりこの時期は中々難しいとの事だった。
なんで今来たんだと聞かれるも、なんででしょうねとしか言えない自分笑
おじさんは頑張れと、30㎝程のムツ?をくれた。
島の人は温かいな。
早速そのムツを丸ごと超大物仕掛けで投入し、その横でボトムを直撃しようとさんまのキャロライナリグを投入した。(胴付きとは言わない笑)
贅沢にも残り少ないさんまを半身流し、アタリも無いまま何度か流す。
何投目かでボトム付近を転がるさんまに「コッ・・・コッ・・・」アタリが出る。
餌取りか?前アタリか?
微妙な感触に緊張感を持ってスプールを抑え気味に構える。
「ゴンッ‼」
突然ひったくられた‼
根魚だと確信してた僕は、7㎏あるらしい(絶対ウソ笑)中華リールのドラグをMAXに締めゴリ巻きで底をきる‼
「キュキュッ・・・‼」
それでも一瞬糸を出され驚いたが構わずロッドのパワーを信じ巻きに巻いた。
中層まできて抵抗がかなり弱まったので一気に勝負をかける!
瞬間、荒れるサラシに真っ赤な華が咲いた。
バラハタだ!良いサイズ‼
波のタイミングを見て一気に抜きあげた。
何と言う綺麗な魚体だ、惚れ惚れしてしまう。
何枚か写真を撮らせて貰い、元気な内にリリースした。
いやぁ、巨大魚でも無いけどここまで来た甲斐があったなぁと。
基本一本何か良いの釣れたら満足しちゃう僕は写真を見返しながらゆっくりラインを組みなおす。
さっきのおじさんがこっちに来てくれ、「良い魚だったねぇ!」と言ってくれた。
それでまた話をしていると、突然巨大魚タックルから糸が引き出される‼
心臓が飛び出そうになりながら竿を持ち、更に糸を送り込んでやる。
「ズルズルズル!・・・ズルズルズル!・・・」と妙なリズム感で出ていく糸に恐らくウツボか何かだろうと釣った事も無いのに予想してみる。
暫く送り込み、思いっきりフッキングを入れる‼
中々の重量感と引きだが比較的すんなり上がってくる様子を見て僕もおじさんもウツボだと確信した。
そして浮いたウツボは予想していたよりもずっと大きかった!
恐らく体長は1.5m程、10㎏は余裕で超えているだろう。
と喜んだのも束の間、フッキングをしていなくて口からスポッと餌が抜けてしまう。
沈んでいくウツボにがっかりしながらため息をつくと、「まだ食うから沈めて!」おじさんが声を掛ける!
そんなアホな・・・と思いながらもウツボの鼻先に餌持っていくとマジで食った笑
今度はしっかり食い込ませて取り込みにかかる‼
「トラウツボだよ、噛まれたら指無くなるから気を付けてね」と言ってくれるおじさんに感謝しながら抜き上げる。
でも焦ったのがいけなかった・・・。
どうやら歯に当たってしまったようで、220lbラインは呆気なく切られ試合終了。
もっと波のタイミング見てあげるべきだったのにと本当に後悔した。
そしてウツボよ、すまんかった。
あとおじさんはトラウツボと言ったけど、どう見てもドクウツボ、最大3m、30㎏にもなる世界最大のウツボだ。
この旅最大の心残りだったなぁ。
ショックを隠し切れなかったが、次がまたあると信じ投げた。
でも二度とウツボを見る事は出来なかったんだ。
また雨が強くなり、おじさんも帰ったので僕も切り上げる事にした。
明日に期待だ‼
宿に戻り、そう言えば昨日の昼から何も食ってない事に気が付き、折角島に来たから居酒屋でも入ってみようかと雨の中歩いた。
一番近くのお店に入ると、「ちょっと待って貰うけど良い?」と聞かれ、まぁ待つっても精々30分位だろうと思った僕は他を探す気力も無かったのでカウンターに座った。
でも結局飯にありつけたのはそこから2時間後の事だったんだ笑
もし彼女と来てたら絶対出てるけど、まぁ一人だし不思議とイライラもしなくて一生懸命やってくれるおばさんと話しながら久々の食事を楽しんだ。
なんか色々食ったけど、最後の島らっきょで腹を壊した事しか覚えていない。
屁がとんでもなく臭くなるんだぜ。
店の外のやる気無さそうな犬がとてもかわいらしかった。
宿に戻ってからはどっと疲れが出て、すぐに眠りについた。
天気予報によれば、まともに釣りが出来そうなのは明日が最後。
釣れなくても仕方が無いけど、とにかくいっぱい楽しもう。
そんな穏やかな気持ちだった。
Part3に続く・・・